SPICY GARDEN

陶芸分科会女子......あれから30年!

「民芸とは何か」 柳宗悦 青空文庫

目次:
第一篇 なぜ民芸に心を惹かれているか
第二篇 民芸から何を私が学び得たか

私の感想
民芸についての説明とか、
自分が惹かれている理由を解説しているとか
そんなレベルではなく、

ものすごくロジカルに、
民芸が素晴らしいでしょ、
ね、そうでしょ?
(そうじゃないなんて、言わせねーよ!)的な。

ある意味、圧力さえ感じるような
理論だった、強めの文章は、
反論の余地がないのです。

まさに、プレゼンテーションの鏡!
なのではないでしょうか。

テクニック的にも、
大量生産で、平民が日常的に使う器を、
価値を見直してもらおうというときに
使っている文章が、

「温室の花をのみ美しい花と見る時、人々はしばしば野の花の美しさを忘れている」

そうだよねーって
頷かずにはいられないじゃないですか。

また、自分だけではなく、
自分よりも皆さんの信用を得ている人も言ってるんですよ
というテクニックとして、
初代の茶人を引っ張ってきて、

初代のころに使われていた茶椀は、
支那の貧しい人々がつかう飯椀だった。
それを茶人は、
価値あるものと言ったのだ。と

こちらも、
そうか、そうか、と
納得せざるを得ません。

こういう
「人を説得できる、プレゼンする能力」のある人が
プロデューサーとして大成するのかなと
感じました。

他にも、必要な能力は様々ありそうですが、
「工芸の手わざのスキル」よりも、
プレゼンスキルのほうが
重要そうだなと思いました。

プロデューサー業って
後世に語り継がれる人の出る
すごい職業なんだなと
感じるようになりました。

陶芸家ではないのに、
陶器の世界で名が残っている
北大路魯山にしろ、

民芸の運動を起こした
柳宗悦にしろ、

どちらも共通するのは、
プロデュース力だと思いました。