この本の内容
幼い頃からリーチの書籍
「陶芸家の本(A Potter’s Book)に親しんでいた著者による
リーチについての研究を表した本
リーチが20世紀のイギリスにおいて、
どのように賞賛され、
また批判されたのかを知る事が出来る。
巻頭には、
本人の写真や、
工房が造られたセント・アイブスの航空写真
リーチの作品の写真がある。
私の感想
先日読んだ「リーチ先生」では、
22歳でリーチが日本に来てから
イギリスに戻って、スタジオポタリー造り
活動を始めたところぐらいまでがお話で、
そのあと数十年して
再来日というふうに時間が飛んでいたので、
その間、イギリスでどのような活動をしていたのかは
この本によって知りました。
書籍を出版したり、
講演活動をしたり、
芸術家たちとの活動についても書かれています。
絵も上手だったのに加え、
言葉、文章も巧みだった事が
よくわかりました。
子供は5人いたようで、
そのうち二人はリーチの造ったスタジオで
働いていた模様。
リーチの作品は、高価で、
コレクターでなければ
手が届かないようなものだったようです。
第二次世界大戦もあり、
資金面でも困窮した様子。
土産物を作ったり、
暖炉用のタイルを作ったり、
「スタンダードウェア」と称して
手頃な価格帯の商品を出したり。
著者がリーチの生涯の活動に
真剣に向き合って研究したことが
うかがえる内容でした。
そして、リーチを歴史の中の人物と位置づけ、
それを超えて現代陶芸を定義づけていきたいというような
意気込みを感じました。