100円均一のお店の食器コーナーに行くと、
マグカップ、ココット皿などの洋食器から、お茶碗、おわん、
お惣菜用のお皿、お箸、箸置き、おそばを盛りつけるための「ざる」などの
和食器に至るまで、足りないものは思いつかないほど、
必要な食器がなんでもありますよね。
こんな時代に、陶芸教室で作るお茶碗一個のコストは一体いくらなのか、
気になりませんか?
- 手作りお茶碗は、100均のお茶碗のなんと25倍~30倍!のコストだった
週1回(3時間)の陶芸教室、月4回(12時間)で月謝が1万円。
(素人が都内の陶芸教室に通っているという設定です。)
(素焼きと、本焼きを教室の窯で先生にやっていただけること前提とします。)
粘土の状態からお茶碗一個を完成するまでに、
どのくらいの時間が必要かを、計算し、
月謝÷かかった時間=労働コストということにしてみます。
1週目、土を練ってお茶碗の形にする(手びねり) – 1~1.5時間
2週目、前回作ったお茶碗の高台を削る – 1時間
3週目、素焼きされたお茶碗をやすり掛けする – 0.5時間
同日、絵付けをして、釉薬をかける -0.5~1時間
ここから本焼きをしていただいて、
4週目に完成品とご対面となります。
合計するとお茶碗1個にかかる時間は3時間~4時間。
単純に月謝で割ると、1個が2500円~3000円です。
(実際には、粘土代や、焼成代が別途かかる場合がありますし、
金を装飾したりすれば実費が上乗せになります。)
手作りお茶碗は、100均お茶碗のなんと25倍!の
労働コストがかかっております!
材料費含まれてなくてこれです!
- それでも手作りを続ける理由は何?
物の値段としては、完全に見合わない(であろう)手作りお茶碗。
「だったら自分で作るのは止めよう」と思わないのはなぜなのか。
それは、「作るのが楽しいから」という答えに集約しますが、
楽しいと思う理由のひとつは、「自分がいいと思うデザインにできるから」
かもしれません。
(今は出来なくても、いつかは出来るだろうという気持ちも含む)
お茶碗を例にとって極端に言えば、教室だったら、
「このお茶碗は、栗ご飯にしか似合わないけど、栗ご飯が最高に似合うの!」
みたいなものを作っても許されるということです。
でも、ダイソーに「栗ご飯専用」のお茶碗が大量に並ぶなんて想像できないでしょ?
商品として大量に売られているものは、機能性や汎用性の高さを訴求することに主軸がおかれていて、個性は抑えられていることが多いのです。
- 「個性を開放していい」のが、手作りの良いところ
人が幸せを感じるのはどんなときなのかを書いた本があります。
「自分の時間」という本です。この中でとても印象的だった言葉が、
「人は自分の信条にしたがって行動できると、幸せを感じる」というものです。
それは世間の常識や、効率からはみ出すことかもしれません。
それは個性というものにつながるのではないかと思います。
個性を開放していい手作りというのは、
自分の信条に従ったものを作るということでもあり、
自分を自分で幸せにする作業なのではないでしょうか?
誰かに幸せにしてもらおうなんて期待するより、
ずっと建設的な行為だと感じます。
- とはいえ!もっと安く作るには
今回のコスト計算では、素人が陶芸教室に通って間もないという設定ですし、
都内の教室の平均月謝ぐらいの設定ですが、
もっと月謝の安いところに行けば単純に安くなりますね。
また、月謝を払うと何時間でも作業をしていいというような
「フリープラン」のある教室もあるので、検討してみてください。
当然ですが、自宅を工房にして、マイ釜で焼成できるような環境にいる場合には、
まったく別のコスト計算方法が必要ですので、あしからず。
- まとめ
素人が陶芸教室でお茶碗一個作るのに、約3000円がかかる。
そのコストには、工房を使う費用、自分の労働コストが含まれる。
概ねお茶碗一個の粘土は300円~500円ぐらい。
(土の種類によって値段が変わる。
教室によっては全種類均一の値段設定のところもある)
手作りするなら、思いっきり「個性を開放」すべし。
自分で自分を「幸せ」にしてあげよう。(もう大人なんだし)
陶芸教室の月謝プランは自分にとって適切か検討してみよう。