この本の内容
1920年代頃からを現代と捉え、
陶芸家たちの歩みを評論家が解説
発している。
両者ともに、現在に到るまで
多くの陶芸家や陶磁器愛好家の
価値観に影響していると言ってよい。
私の感想
面白かったのは、
「写し」の解説。
陶芸の世界では、
骨董を再現するような作風というか、
そういったものを専門に作っている人がいて、
「写し」と呼ばれています。
創造性、独創性に欠けるとして
批判される事もある、
賛否両論の世界です。
「写し」をテーマにしている作家の言葉が
興味深かったです。
モノマネ芸人のコロッケのように写す。
本家の特徴を自分の中で消化し、
自己流にアレンジして出す表現に高められたモノマネと
書かれていました。
コロッケの五木ひろし。
納得です。
芸術に対面したときに、
どう感想を述べるのがいいのか。
自分が感じたままを
言葉にするのも難しいですが、
感想ではなく、評論するとは、
こういうことなのだなと思わせる本でした。
知識の中から、
芸術について、歴史的、サイエンス的にひも解き、
自分なりの結論を導きだして
読む人に伝えるという行為。
必然的に、形容する言葉が多くなり、
文章が長くなるようです。